蒲焼さん太郎

孤高のブロガー

RADWIMPSの話

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「あ、ごめん。俺『君の名は。』しか歌えないんだよね(笑)」

 

私は激怒した。必ず、かの自称RADWIMPS好きのバイトの先輩を除かねばならぬと決意した。私には音楽がわからぬ。私は、しがない学生である。酒を飲み、友と遊んで暮らしてきた。けれどもRADWIMPSに対しては人一倍敏感であった。

 

あれはまだ暑さの残る頃の出来事でした。

先輩からバイト終わりのカラオケに誘われたんですね。

バイト先の人間関係を少々煩わしく感じていた僕でしたが、これを快諾しました。

というのも、この先輩とはある共通の話題があったからです。

それが有名ロックバンドRADWIMPSのファンであるという点でした。

 

「RADファン同士だからこそできるような、マイナーな楽曲を歌い合えたらどんなに楽しいだろう。誰にも邪魔されず、心ゆくまでRAD縛りカラオケを楽しめる。」

そんな期待に胸躍らせてカラオケへ向かいました。

 

私は懐古厨でこそないものの、昔寄りの楽曲が好みです。

『愛し』『ハイパーベンチレーション』『DUGOUT』辺りはCDが擦り切れる程聞きました。最も多感な時期を共に過ごした相棒たちです。

これらは下手にカラオケで披露しようものなら白い目で見られかねない曲です。特に『愛し』は結構長いので中々カラオケで歌いづらかったりします。

これらが気兼ねなく歌えると思うと感無量でした。

「あの頃少年だった僕はこんなに大きくなったんだよ」と、ようやく相棒たちに挨拶できる。

この時まではそう思っていました。この時まではね…

 

 

カラオケルームに到着し、僕が選曲したのは『ふたりごと』。とりあえずのジャブですね。

すると先輩は私にこう言い放ったのです。

「俺『君の名は。』しか歌えないんだよね(笑)」

何を言ってるんだコイツは。困惑して一瞬フリーズしてしまいました。

RAD好きと自称していた目の前の男は『ふたりごと』さえ歌えない様子。

その上「エグザイルなら歌えるぞ」と得意げにバラードを歌い始めていました。

もう見事な裏切りですよ。ラーメン屋だと思って入ったらゲイバーだったみたいな気分です。

しかも前前前世』ではなく『君の名は。』しか歌えないと言っていました。

まさか曲名すらマトモに知らないのでしょうか。

 

途端に目の前の先輩がゴミ人間のように思えました。

極悪非道、残忍卑劣、国賊糞袋、害そのもの。 

絶対に彼を許さないことを天に誓いました。

 

そもそも彼は一体どういう気持ちで私をカラオケに誘ったのでしょうか。私の事を偽RADファンだとでも思ったのでしょうか。

これ以降彼とは本当に言葉を交わさなかったので真相は闇の中です。

 

こんな心のモヤモヤ、誰かを憎む気持ちも、音楽の力で消してくれるのがRADWIMPSです。

ラブアンドピース。

RADWIMPS4〜おかずのごはん〜』は本当に名盤なので聞いてください。